id:yasuyuki-kobeの"福田川新報"

招待されたから作ってやったぜ。文句あっか?

うちの犬、うちの猫

実家にだいすけ(ゴールデンレトリバー・♂)が来たのは、もう何年前のことだろう。

当時、今はもう嫁いだ妹たちと母とで「飼い犬導入計画」が進行中であって、 僕は蚊帳の外だった。
ある日、「生きてるふわふわぬいぐるみ」が家にいた。それがだいすけだった。

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幼犬の頃のだいすけは、しっぽの先の毛が生えていなかった。
実はだいすけは、物凄く甘えん坊だった。母犬の乳首に吸い付いたら放れない幼犬だったらしい。ブリーダーの家である日、相変わらず乳首にだいすけが吸い付いていると、母犬は隣の部屋に歩き出した。だいすけも、乳首に吸い付きながら付いていく。その時、ブリーダーさんが母犬が通りすぎたあとにドアを閉めたらしい。 その時運悪く、だいすけのしっぽが挟まってしまったのだ。
そんな訳で幼少時代のだいすけは、しっぽの先に毛がないまま過ごした。そんな経緯もあったので、「お買い得犬」だったらしい。 今は無事にしっぽはふさふさになっている。

甘えん坊の幼いだいすけにはみんな手を焼いたな、と思い出す。 ゴールデンレトリバーの人好きの性格と相まって、家族にくっついて離れない子だった。大きくなるまでは家の中で飼っていたが、とにかく人の手や脛を囓るのには困った。
さすがに今は十分大人の犬になり、行動が落ち着いてきた。庭で飼っているが、吠えたりはしない。随分歳を取ってきた。ゴールデンレトリバーは年を取ると顔のあたりが白くなってくる。昔は、散歩の時に家の門扉を出る時はロケットダッシュするので抑え込まないといけなかったのに、最近は静かなものである。

一昨年あたりだっただろうか。
黒い子猫が、庭を堂々と横切るようになった。母は、「エライ堂々とした猫やねー」と笑っていたが、そのうち母には理由が分かった。だいすけの餌を食べていたのだ。しかも、だいすけが餌を譲っているのである。お人好しの犬もいたものだ。
そのうち、子猫はだいすけと同居するようになった。天気の良い日は、一緒にひなたぼっこしてたりする。子猫はだいすけのことを、親だと思っているらしい。

そして・・・・春が来た。恋の季節である。
黒い子猫はなんと出産した。メスだったのである。
5匹ほど産んで、犬小屋で子育てしていた。僕が実家に帰って見物すると、猫は犬小屋で授乳中、だいすけは情けない顔して寝っ転がっていた。ひさしを貸して母屋を取られたのである。

残念ながら、生まれた子猫は死んでしまったり行方知れずになったりで、現在実家にいるのは黒い母猫と白い子猫だ。
今では、白い子猫もだいすけに懐いている。だいすけが散歩に行く時は、二匹の猫も一緒に付いてくるそうだ。奇妙な同居生活だけど、きっと幸せってこういう感じかな、とも思う。だいすけも、時々迷惑そうな雰囲気を醸し出すが、でも楽しそう。

一方で、二人の妹は嫁ぎ、僕は一人離れて滋賀県暮らし、父は随分前に亡くなったし、犬と猫二匹を除けば母一人なのだ。僕はこれからどうしたらいいのだろう、と思う。